第34章 未来の分岐点
目の前にいた木虎は放心状態となっていた。
無理もない。尊敬していた人が亡くなった…
それは、恵土先輩からもらったトリガーが証明していたから。
目の前で白い光の粒になって消えていくことで…
木虎「嘘…いや!」
もらったトリガーホルダーの形をしたトリガーが
白い光となって粒上になっていき、瞬きながら散っていく。
その白い光の粒を放さないように追いかけたけれど、木の根っこにつまづいた。
そして、こけながらも必死に起き上がったけれど
その時には、もう…
その光を地面にひざまずいたまま、上を見上げていた…
白い光が消え去った場所を、星空を…
(木虎は口を開けたまま、林の中で星空を見上げていた
そんな時、時枝が目の前でしゃがみ込んで木虎と目線を合わせてきた)
時枝「…木虎、恵土先輩は
悲しむのを放っていける人だと思う?」
木虎「…え?」
いきなりの問いに、頭がついて行かなかった…
時枝「少なくとも
今まで一緒に過ごしたことのある恵土先輩は、そんな人じゃない」
解ってる…昔から、そうだったから
時枝「今までがそうだったように
死んで、それで終わりなんてことはありえない。
それよりも今立って、近界民を倒さないと
軍人まで巻き込んでしまう大事態になる。
こんな時、恵土先輩は何を望むと思う?」
木虎「…」
(その言葉に、木虎の目が見開かれた。
と同時に、昔の情景が脳裏に浮かんだ)
恵土「木虎^^」
いつだって、笑って話しかけてくれた。
一番の弟子だと認めてくれていた…
『私にとって『弟子』ってのは
教えた奴の中で、生涯誇りに思える奴だけを抜粋したもんだ』
『どんだけ打ちのめされても
絶対に『護る道』をたがえない奴って意図でやった試験だし(微笑』
(1131ページ参照)
そう、説明してくれた。
あの時、本当に嬉しかった。
絶対に大丈夫だって
安心して、任せてくれていると言ってくれているように感じたから。
『だから木虎、私はお前を誇りに思ってるよ(微笑)
お前に出会えて、本当によかった^^//』
そう微笑みながら、嬉しそうに頭を撫でる姿が脳裏に浮かんだ。
それと同時に、私は立ち上がった…
師の教えを、無駄にさせないために。
(真剣な表情を浮かべ、立ち上がる)