第6章 クリスマス(模擬戦)
「戦闘体活動限界。
恵土1-風間0」
恵土「…本気で来い。
スピード全開で、勝ってみせろ。
さっきの、私の勢いのようにな」
風間「…なるほど。
つまり、先程の勢いを貫通力に換算したんですね。
先程の勢いも、異常だった…
それは、シールドとグラスホッパーの応用。
駆け付けるまでの一瞬だけ
スコーピオンが消えていたのは、そのためだったと…」
恵土「そうだ。
原理は解るか?」
風間「頷く)はい。
シールドを自身の周囲に固定して作り出し
それと自身の体の間にグラスホッパーを瞬時に作り出し
シールドを全身に纏った状態で踏むことで
『シールドによる反発力』と
『グラスホッパーの反発力』を掛け合わせ
目に残像も軌道も映らない攻撃に転換させる。
先程の急激な上から下への攻撃も
勢いよく跳んだ軌道上で
背中が当たる部位に、グラスホッパーを作り
勢いを加えながら
体重を込めた、最大限の一撃が決まった…
そういうことですよね?」
恵土「大正解。
シールドは
アステロイドみたいに分裂できて
小さくすれば、いくつでも仕込むことができる。
そして…
グラスホッパーもまた
極めればいつでも何個でも分裂させられる。
空中での急激な方向転換も、これで可能にしている。
小さな奴と、その方向を計算と同時に展開させながらな…
といっても、こんな使い方をしている奴は
ボーダーの中で、私一人だがな」
風間「右手の方にシールド、左手にグラスホッパー。
なるほど。
確かに、それだけを使えば最速ですね」
恵土「グラスホッパー×グラスホッパーもありだがな。
受けた力=攻撃を跳ね返す
小さなびくともしない硬いシールドと、
受けた力=ジャンプする力を跳ね返す
小さな硬く柔軟なグラスホッパー
シールドもグラスホッパーも原理上同じ物質だからな」