第34章 未来の分岐点
大規模侵攻から10日後、2016年1月24日(日)
恵土が入院して…
まだ集中治療室から出れず、意識不明の重体だった。
その時、病院で言われた言葉が…
今でも、忘れられない。
集中治療室から近い、自販機
その前にあるベンチに、風間さんはいた。
缶コーヒーを握りながら、うつむいたまま…
風間さんの話では
俺が来ない間、恵土が何度も死にかけていたらしい。
その間、合間を縫いながら
恵土の過去にあったことを示す映像を見ていたらしいが…
それでも、色々と限界で…
未だに状態が改善されず、苛立っていたのもあったんだろう。
その怒るきっかけとなったのは
昔からの知り合いの中では、一番遅くに来ていたこと。
それまでに、元田中隊のメンバーは勿論
玉狛第一、陽太郎、木虎、緑川、上層部の面々、
太刀川隊、冬島隊、風間隊、嵐山隊、加古隊、三輪隊、
二宮隊、影浦隊、那須隊、諏訪隊、荒船隊、鈴鳴第一などなど
様々な人たちが山ほど来ては、見舞いの品を置いていったらしい。
迅「…風間さん」
風間「!…迅か」
話しかけてから、やっと気付いてあげたその顔は
とてもやつれたようにも見えて、目の下に熊まで作っていた。
その隣では、太刀川さんがいびきかいて寝てるけど;(苦笑)
迅「恵土の容体は?」
風間「見たらわかるだろう。
気管切開され、鼻から管を入れなければ栄養を取れず
鎮静剤を切っても未だに意識が回復せず、発熱が続いている。
今も苦しんでいるはずなものの
表情も全く歪まず、ピクリとも体が動かない」
(549ページ参照)
黒くよどんだ表情で、両膝に両肘をつき
缶コーヒーをベンチに置いてから両手を組み、呟いていた…
迅「あ~;
護衛、お疲れ様です(深々お辞儀」
風間「…迅、お前に聴きたいことがある。
この10日間、お前は何をしていた?」
迅「え…えっと、それは…
まあ、色々と^^;」
そう苦笑交じりに、後ろ頭をかきながら言うと
風間さんの顔がより歪んで、眉間にしわが寄っていった…
そして
取る行動を間違ったと解った時には、遅かった……