第34章 未来の分岐点
その中、南の方でも戦闘が始まっていた…
秀次「このっ!」
空間ごと攻撃をすり抜ける結界を張って立ち回る敵に
苛立ちを隠せない中
迅「よっ。
苦戦してるな、秀次^^」
秀次「黙れ!(イラッ」
木の上に現れた迅に対し、なおさらに苛立った;
秀次「トリガーオフ!
『白帝』、起動!!」
迅「『風刃』、起動」
その後、戦いは熾烈を極めるが
結果的に、白帝による
相手の『空間に働きかける力』の無効化によって、助かった。
その戦いの中、迅の頭の中では
ある出来事が思い起こされていた…
出会ったあの時から、ある程度は見えていた。
6年後から、ぷっつりと糸が切れたみたいに未来が見えないことが…
と同時に、幸せそうに笑う未来もまた見えていた…
まだ、まだ大丈夫…
そう思いたかった……
どんな言葉でも、恵土は信じてくれた。
だから、怖くはなかった…
小さい時、未来視で見えたことを話すと
「勝手に語んなよ!
俺の未来は俺が決めるっての!
冗談もほどほどにしろ!」
それから実現すると…
「言い当てたんだぜ。気味が悪い」
気味悪がられて離れていくものもあれば
利用しようと話しかけてくる人たちばかりだった…
だけど、恵土にはそんな未来が全く見えなかった。
ただ、幸せを感じて欲しい。
その過去も背負った上で、笑っていられるようになって欲しい…
ただただ、それだけだった…
それが、とても嬉しくもあった。
俺にとって、唯一の特別な存在で
助けとなってくれた人だった…
そして、その苦しみや想いの理解者でもあった……
だけど、誰にも等しく死はやってくる…
それがいつになるかはわからない。
目まぐるしく、秒単位で動くそれ(未来)は
制御し切ることは、どちらかといえばできないことの方が多い。
分岐点が訪れれば容易にずれるそれは
とても不確かで、それでも明確なものははっきり視えてて…
それでも、俺は助け出したかった…
大規模侵攻の時、止めれていればと今でも思う…
でも
そうでなければ、きっと今が今じゃなかったとも思うんだ……