第33章 時
風間「あの怪物は…何で」
恵土「近界民のことは、知りたければ、ボーダーに入れ」
風間「?
ネイバー?ボーダー?」
聞き覚えのない言葉に?を浮かべていると
すくっ
その音と共に立ち上がり
恵土「界境防衛機関…
私が与えるヒントはここまでだ。
お前が知りたいと本気で願うのなら、辿り着いてみせろ。
辿り着いたその時には…
また会うことがあれば、教えるよ。
お前の知りたいことを、全部な…(微笑」
(896ページ参照)
俺の方を見ながら言い、立ち去ろうと歩み出す中
恵土「ありがとな。
お前の、さっきの言葉のおかげで救われたよ^^
またな(微笑」
一時立ち止まって、振り返りながら言うそれは
遠くない未来、また会えると確信しているようにも見えた…
それから俺は、必死になって探していた…
憎む気は無い、それでも知りたかった。
あの時、何が起きたのか。
何が、状況をあそこまで一変させたのか…
たわいのない話をしていたはずだった。
笑い合って、何気ない一日で終わるはずだった…
それを一瞬で覆された、その正体を……
そして…
ボーダー本部に辿り着くまで、半年かかった。
風間「まさか、地下にあったとはな…」
一人の少年、後に言う太刀川の言葉と行動で突き止めた。
「忍田さんに叱られる~!!;
くそっ!!;
恵土だったら大丈夫だったはずなのに!;」
風間(恵土!?)
「瞬間移動トリガーとか作れよ、もー;
バカボーダー!;」
その言葉に足を止め
「急げ急げー!!;」
そう走っていく少年のあとを必死でつけ、辿り着いていた…
その後
恵土に助けられたということで上層部と話にこぎつけ
ボーダーに入らなければ、知った記憶を消す事まで話された。
当時は第一次近界民侵攻がまだ無く
極秘事項だから当然のことだと、今でも思う。
実際、襲われたのも
『人の寄り付かない一昔前の公園』だったから
なおさらに説得力があるように感じ、納得した。
だが当時、俺の心は既に決まっていた。
話を聴いたからには、ボーダーに入って
少しでも近界民の密かな襲撃による被害を減らすよう尽力する方がいいと
兄が、そう望んでいるような気がしていた…
そして
その一か月後、再会を果たした…
(450ページ参照)