第33章 時
そのレイジの行動を見て、烏丸もまた思い起こしていた。
家族と仲良くしてくれて、色々とよくしてくれたことも…
「兄ちゃん!恵土となら結婚してもいいよ~^^」
烏丸「ぶっ!!」
「ダメだよ!小南って人と両思いなんだから!」
烏丸「ちがっ!!」
恵土「あっはっはっ!^^
近頃の子供って凄いんだな^^♪」
烏丸「冗談じゃない;(汗」
家に来て、家事やらなんやらを手伝ってもらったり
わざわざ弟や妹にプレゼントを買ってきてくれたり…
子供好きだからなのか
一気に抱き上げてぶん回して楽しんでたり、扱いがうまい。
その上で、両方共にとても楽しそうにしていた。
そう言えば、小南先輩が10歳の時から世話になってると言ってたな。
恵土「ほら。お守りだ。持ってるんだぞ?^^」
そう、弟と妹に渡してくれていたおかげで
近界民とたまたま遭遇した時、助かったらしい。
お守りからシールドが出て包まれて、助けられたとか。
金銭面に関しては、流石にもらうわけにはいかなかったし
それを恵土先輩も解ってくれた。
それでも、それ以外で山ほどやりに来てくれた。
気にかけては
電話で家事があったと冗談を言った時には
すぐさま息を荒らして駆けつけるようなありさまで…
烏丸「テレポートを使えばいいんじゃ?」
恵土「!!
そうだ!;
焦り過ぎてトリオン体になるの忘れてた!!;(滝汗」
烏丸「あの…今日はエイプリルフールですからね?;」
恵土「嘘ん!!;(ガビーン!!」
嘘がつけなくて
嘘をつくのもへたっぴで、何でも顔に出てる。
容量が悪い上に不器用で…
それでも曲がらないぐらい真っ直ぐで、純粋で…
渡してくれていたお守りだけど…
死んだ今となっては、消えずに残って入るものの
近くにいた木虎の手から
恵土先輩が渡した『トリガー』が、白い光となって消えていくのが見えた。
トリオンで意図的に護るように作ったものは除外されているらしく
俺の持っていたお守りは消えることはなかった。
それを見た時、理解した。
恵土先輩が死んだのだということが…