第33章 時
そう言われた当時は
レイジ「納得がいきません!
第一、そういうのはあなたにとって得には」
恵土「それは私が決めることだろ?」
レイジ「!…そうですが;(汗」
恵土「なら、お前が生きている今
幸せで笑ってられることが、何よりの恩返しだ^^
あの痛みやら苦しみやらは…
到底、そんな風には出来ないようなものだからな(苦笑)
だからさ…
その上で、お前が幸せを感じて笑っていられるようになったのなら
それ以上の恩返しはないんだよ。
それが、私にとって一番見たかったもので…
私にとっては、一番の幸せなんだからさ^^」
その言葉に、いつものように笑いかける笑みに
俺は、何も返せなかった…
逆に、この人の人柄をより深く理解したように感じた…
『ああ…
そう言えば、こういう人だった』と。
だから俺は…
輸血した、あの時…
やっと、力になることができたと思って…
少し安心したと同時に、嬉しくもあった……
それは、風間や木虎や太刀川も三輪もまた同じだったようで
血を取られた後も前も…安心したように、笑っていた。
といっても、本人たちは気付いていないようだったが…
同じような思いがあったことは、理解した(微笑)
その後、ようやく退院したかと思ったら
次々に災難がやってきた…
何で、こうなった……
生まれ故郷に来て
何故、恵土があのような人格になってしまったかについては解った…
だが…
死んでいいわけがないだろうが!
レイジ「くそっ!!」
だぁん!!!
(小南が悲鳴をあげて泣きじゃくっている隣で
レイジは右拳を握り締め、木を殴りつけた)
どっずぅ~ん!!!!
(そして、その一撃によって木を倒してしまった…)
レイジ「…護れなければ、意味がない…
あいつも、あいつの笑顔もっ!!」
(悔しそうに歯を食い縛りながら
顔を歪めながら、叫んでいた。
喪失感に押しつぶされないよう、必死に戦いながら…
苦しそうな顔で。
今まで共に過ごし続けてきた『時』と
その中で互いに築き上げ続けてきた、『想い』と共に…)
(1月22日PM11:32~23日AM1:26更新、1151~1156(6ページ))