第33章 時
いつの間にか、二人はこちらを向いていた…
いつの間にか微笑んでいたことに、その時に気付いた…
それを見た二人も、嬉しそうに笑いだす。
恵土&小南『あっはっはっはっ^^』
レイジ「微笑)…^^」
そして…
このように過ごせることが嬉しかったのだと解った…
いや、気付かされたと言った方が正しいか…
失ったはずだった笑みが、感情が、日々が…
彩のある毎日が、すぐ近くに感じていられる…
レイジ「はっはっはっはっはっ!^^//」
とても嬉しくて、たまらなかった…
いつの間にか、満面の笑みを浮かべられるようになっていた…
失ったあの日から、笑えなくなっていたはずの心までもが…
蘇らせてくれた
その当時は15歳だったからか
感情もまだ、完全には制御し切れてはいなかった…
その憎しみも怒りも、抱え込むのではなく
奪われた気持ちが解るからこそ、『護る力』にしなければいけない。
人としての道を説くだけじゃない、
真摯に、何度でも真っ直ぐにぶつかってきてくれた。
満足するまで、気の済むまで…
納得して玉狛支部に転属する時まで、ずっと……
命だけでなく、人としての恩人でもあった…
何度も手を払おうとした。
何度でも払い続け、否定し続けてきた…
それでも、あの人は何度でも笑いかけては気にかけてくれた……
何度も何度も、戦い方を教えたり
体の効果的な使い方を、自分で考えて身につけられるよう
傍に居て、解るように見せながら導いてくれたり…
解っていた…
あの人がいたから、前を向いて『護る』ことに尽力できるようになったのだということを…
帰りを待ってる人がいる。
傍に居ることを望んでいる人がいる…
その日常を護るために
毎日の幸せと笑顔を護るために、誰も殺してはいけないのだと…
たとえ殺してきた近界民であったとしても
殺さず、傷付けず…
護らなければいけないのだということを、教わった……
『憎しみを持つのは罪じゃない。ごく当たり前のことだ。
でも、それだけにとらわれてちゃダメなんだ。
大事なものまで、見失っちゃダメなんだ』
真っ直ぐな眼をしながら、眉間にしわを寄せていた…
苦しそうな顔をしながらも、必死に貫こうとするように……