第33章 時
今でも、僕は人付き合いは苦手だ。
でも、解ったことがある…
それは、支えてくれる人がいれば
それだけで十分だってこと。
解ってくれなくても、寄り添ってくれる。
それが友人で、仲間で…好きなもの……
それから…
理解者となってくれた…
真っ直ぐに向き合ってくれる、その恵土先輩が…
遠慮なくぶつかり合える存在が、本当に心地よかった……
その中、サイドエフェクト故か声が聞こえる
小南「恵土!!;恵土ぉおおおおお!!!;;」
恵土先輩を、どれだけ大切に想ってるのかも解ってる…
神の一族?
護るために選ばれた?
その土地から動けないようにして?
…ふざけてる。
だからこそ恵土先輩は恵土先輩でいられたのかもしれない。
そうだとしても、あんな目に遭わせて
あんな思いを味あわせたせいで、少なくとも自分を大事に想う精神は壊れ果てた…
始祖神からすれば、復活させてもらったんだから万々歳で
後はお役御免ってわけで、生き永らえさせて
自然と治るようにして、蘇るようにもしたんだから十分だって思ってるかもしれない…
それでも…
恵土をそういう目にあわせて、何とも思わないのなら……
(自然と、スコーピオンを握り締める力が強まる)
死なせておいて、平然と自分だけのうのうと生きることを選ぶのなら…
僕は一生、始祖神を許さない…
世界が滅ぶことになろうが、何だろうが…
この手で、それごと切り裂いてやる。
(眉間にしわを寄せながら、呟いていた…)
風間「菊地原、まずは近界民だ。
敵を見誤るな」
菊地原「むっ)解ってますよ」
歌川「菊地原、俺も気持ちは同じだ。
先に近界民を切り裂くぞ」
菊地原「解ってるってば(溜息」
いつの間にか声に出てたのか、目の前の敵に集中するように言われる。
解ってる、目を背ければ即座にやられておしまいだってことも…
そして、近界民たちにスコーピオンを構える中
遠くの星か何かが、力強く光ったように見えた……
始祖神の光だといいんだけど…
(1月21日PM10:37~22日AM1:38更新、1142~1150(9ページ))