第33章 時
恵土「特に…傷付けたくないと口で言いながら
殺した後で、それがどんな行為か考えず
一時期であったとしても、その手で奪った命を…
それを大事に想う奴等の心境を考えようともせず
二度と同じことを繰り返させないように努力しようともしないで
帰った途端に平和を満喫し切って、平然と笑ってられる精神は!!」
拳を、震えるほど強く握り締めて
辛そうな表情をしながら、呟いていた…
恵土「解らなけりゃ、何やってもいいってことにはならないだろ…
悪気が無ければ、責任取らなくてもいいってことにもならないだろ…
殺人やった後の意識の方が、よっぽど一番問題なんだ。
殺された人の、これからの『未来』も!
生きてさえいれば
想い出が増えていくはずだった…
大切な人と築き上げられたはずだった『日常』も!
その人から生まれるはずだった『子孫たちの命』も!
どんな理由があったとしても、奪っていいってことにはならねえだろ!!
それを大切に想う人がいる限り、悲しむ人がいる!
苦しむ人がいる!怒り嘆く人だっている!!
何で…
そういうことをしたって、受け止めようともしねえんだよ…
何でそれを考えようともせずに
平然と悪いことをしたことがないみたいに、笑って生きていられるんだよ…
私には、それが一番解らねえ!!」
悲痛な表情を浮かべながら、叫んでいた…
菊地原「…あ。
恵土先輩が言ってた言葉で思い出した。
そういえば恵土先輩、あるキャラを見ると吐き気g
恵土「黙れ!!」
菊地原「!…
え?(そんなに反応すること?」
恵土「はっ)!悪い!;
その話は、しないでくれ…頼む……(目に手を当てる)
重なるんだ…
村人を殺して、その後で笑ってた連中と……
その奪った力を奪い合って、また争い合う連中と……
許せねえ。
それでも、自分のせいで苦しむ人が増えるのがもっといやだ。
それが解ってるから
村人が皆、そう思うのを知ってるから、私は踏ん張れた。
何とか止まることができた。
そして気付けば白帝が…
って悪い;本題が完璧にずれたな;」
菊地原「いえ。まあ、ためにはなりましたよ」
恵土「そっか。
そう言ってもらえると嬉しいよ(微笑)
ありがとう^^」
そう、顔は笑ってはいたけれど
僕の目には、心は晴れてないようにも見えた…