第32章 奇跡
その結果
気付けば、このような人格になっていた。
小さい時から、その節はあった。
それでも、それが過去によってなおさらに助長された。
でも、それでよかったって思ってる。
おかげで、それ以上に大事なものが見えたから。
それでも、幸せを感じて笑ってられる笑顔を見てる方がよかったから…
『何見てるんだよ!』
『気持ち悪~い』
『あっち行こうぜ!』
そう言われても、あっちへ行かれても
痛んでいたはずの胸は、何ともならなくなっていた…
恵土「今日も世界は平和で、幸せだなあ(微笑」
今日も晴れ晴れしく笑うことができるようにもなった。
小さい時は、それが全てだったから……
それから今では、少しずつではあるが
その感情もまた、蘇りつつあった…
自分のことでは涙は流れないはずだった…
それなのに、最近になってよく泣くようになった…
殺して欲しいという気持ちを
昔までなら
迷惑をかけちゃいけないと思って抱え込んで
誰にも話さないようにしていたはずだったのに…
今では、包み隠さず吐露するようにもなったし
縋りつくこともまた、出来るようになってきた…
少しずつ、本当に少しずつだけど…
昔の、それまであったはずの自分に戻りつつあることを感じた……
そのことについても話してみると、少し嬉しそうに微笑んでくれた。
何でかな…
もっと、嬉しく感じる…
私はいつでも一人で、
周囲が当たり前のように距離取って、それをあざ笑い続けてる
それが当たり前で
それでも幸せそうに笑ってれば幸せなはずだった…
そのためだったら
自分も殺すし、どうなってもいいってぴょん吉を抱き締めながら星空の下で誓った…
そのはずだった常識が覆って
本当に、とても嬉しいし楽しい。
こんなに笑うことが嬉しいなんて思いもしなかった。
話すことが、触れ合うことがとても楽しいなんて…
だから…
生きたいって、思ったんだ…
この人たちとなら…
一生、どんなことがあったとしても楽しめるって思えたから……