第32章 奇跡
風間「たとえ恵土先輩にとって、よかったとしても……
俺にとっては…
憧れているからこそ
尊敬しているからこそ、どうあっても許せなかったんです。
…
今でも(震)…
怒りが、止まりません(ぎゅうっ!」
缶を握り締めながら、怒りが故か震える中
灯りが消えては光るということを続けていた…
恵土「…そっか(微笑)
でも風間、あぁいう時は放置してくれて構わないぞ?」
風間「!?」
その言葉に、驚きと共に右隣を見ると
缶に口を付けながらコーンを吸っていた。
恵土「第一
私は、そういうのを言われても何も感じなくなったんだ。
今では逆に、それでよかったと思ってる(微笑)
おかげで、その人たちが
『そういうことを言った』ってことに関して
何とも思わず、平然と幸せを堪能できるからな^^」
風間「!…」
驚きのあまり、目を見開く中
点滅は激しさを増していった…
まるで、驚きと怒りのどちらが強いか
風間の心の、激しい変化を示すかのように…
恵土「おかげで笑っていられる(微笑)
幸せを感じて、笑うことができている。
十分至福だと思うぞ?
その相手の幸せが、私にとっては何よりの幸せだ^^」
風間「…」
その中、未だに震えは止まってはいなかった…
動揺を示すかのように、瞳が震えていた…
風間(そこまでっ…
そこまで…心が、壊れて?)
何も言えず、缶を持った右手をベンチに缶ごと置き
恵土の方を向き続けていた。
恵土「だからさ、風間。
大丈夫だよ^^」風間を向く
風間「!
(もういい…やめてくれ…」
その言葉に、衝撃を受けていた…
恵土「私はそういうのがいくらあっても
『幸せ』だっていう風にしか、感じないから^^
おかげで、その後で笑っていられる『礎』になれるんだ。
本望だろ?(微笑」
風間(これ以上は…)
唇を噛み締めながら、震えが増していく…
恵土「そういう環境で生きてきたんだ。
だから、何もお前が怒って苦しむことなんてない(微笑)
だからさ、風間…
そういう時は笑え。な?^^」
風間「ふるふる)…」
風間に向いて言ってから
飲み終わってから籠に捨てるため、立ち上がって歩いていた
恵土「?何で首を横に振ってるんだ?」
改めて風間に向き直る中、見たのは…
涙だった…