第32章 奇跡
風間「…
『人のためを考えているわけじゃない。
いざって時には、相手が嫌だって言っても助け出すからさ。
それよりも何よりも
人が苦しむのが、自分にとっては一番苦しい。
何もせずに、見守ることなんて出来ない。
それよりも、相手には幸せそうに笑ってて欲しい(微笑)
それが、どれだけ難しいことか知っているから…
それは…
今までの人生の中で、掛け替えのないものだって解ってるから……^^』
俯きながらも、そう笑い
最後には
『私は、一度全てを失った…
あんな苦しみや悲しみ、痛みは誰にも二度と味あわせたくはない…
味わったとしても
今が幸せだと感じられるようになって欲しい
だから、今はほっとしてるんだ…
小南やレイジや迅、玉狛にいるんだけど孤児でさ…
小南は両親を殺されて
レイジと迅は唯一の家族である母親を奪われて…
それでも今、幸せそうに笑ってる…
レイジは一時反発してたけどさ…
解り合えて、本当によかったって思ってる…
ごめんな。ちょっと愚痴が入っちまった^^;
でも…
本当によかったって思ってるんだ……(微笑)
あいつらが幸せで、お前たちも幸せで…
近界民たちとも笑い合って、支え合えれば最高なんだけどさ……
それでも、惑星国家によって事情も変われば
環境も違って、優先順位だって変わってくる…
それでも、人ならば護り抜きたい…
トリオン兵は機械のようなものだからトリオンを送れば何度だって蘇るが
人については、蘇りはしない。
二度と、想い出を紡ぐことなんて出来ない…
話すことも触れ合うことさえも、二度とできなくなってしまう…
だから……
護り抜くために、力を鍛え抜き続けていく(拳を握り締める)
二度と失わせないために…
二度と、殺させないためにも…』
ただ、真剣な眼をしていっていた。
その言葉が深く染み入っていったのを、今でも覚えています」
恵土「そんな長々しい台詞覚えてられる記憶力が凄いわ;」
風間「…そのおかげで、俺は強くなろうと思えた。
我流でも
あなたの戦術を見て、身につけ続けようと思ったんです」
ライトが点滅する中、時は進む…
衝撃の時まで、残り数分…