第32章 奇跡
風間「誰にも相談も出来ない目に遭ったことがあるか!!??
誰にも気にかけられず
いじめられていても、それを同意されるばかりの日々を味わったことはあるのか!!??
人間不信に陥りかけながらも
全てを決めつけて、否定しなかったあの人の気持ちが解るか!!??
された者の気持ちが解るからと
常に、必死に己の心を殺し続けてきたあの人の気持ちが解るのか!!!!??
終いにはひどいことを言われても
何も感じなくなったあの人の心が解るか!!!!!!???
それまでの苦悩も何も知らないお前があいつを語るな!!!
俺を庇って傷付いた時もそうだ!
俺は悪くないと
かたくなに言っては、無事でよかったと笑いかけてくれた。
そのような環境で過ごしたこともないお前が!!!!
あいつの何を解っているというんだ!!!!??」
「ぐ…あ…」
その中、首が閉まって窒息しかけている男を見て
先に辿り着いた太刀川は、風間の右腕に手をかけ止めにかかろうとした。
太刀川「ちょっとストップ!;一旦落ち着けっt
風間「言ってみろ!!!!!
あいつのことを解った風な口をきいたのは解るからだろうが!!!!!
言え!!!!
あいつの二重人格は…
憎しみに飲まれまいと必死にあらがったゆえの結末だ!!
それでも言えるものなら言ってみろ!!!!」
小南「落ち着きなさいっt
風間「言え!!!!!
言った瞬間に殺してやる!!!!!!
一生死んでも許すものか!!!!!!!!」
太刀川「お前ら手を貸せって、マジで!!!!;
ってか力強過ぎ!;」
強引に太刀川に羽交い絞めにされ
小南に両腕を押さえられ、その男から引き離されていた。
男が壁を背に崩れ落ちる中、それでも風間は…
必死に足を踏みしめ、その男へ進もうとし続け
今までに聞いたことのない怒声で叫び続けていた……
風間「あいつの涙を見たことがあるか!!??
人の為にしか泣けなくなってしまったのがなぜか聞いたことがあるのか!!!!??
自らが苦しい時に泣けなくなったあいつの心境が解るか!!!!!??
二人共離せ!!!!!!
離せと言っているだろうが!!!!!!!!」
太刀川「熱入り過ぎだっての!!;」
小南「落ち着きなさいよ風間!!;」
それ以降、二人は風間を呼ぶ時『さん』付けとなった…