第32章 奇跡
調べている最中、DVDの中でビデオは終わったわけなのだが
その後、テレビに映ったのは衝撃的な映像だった…
とある隊員、と言っても名を知らないような
今は既にボーダーにいない隊員が言っていた言葉によるもので…
今から5年半前、2010年8月17日
風間と太刀川が、田中隊となるよりも前のことだった…
「恵土って、能天気だよなあ。
ろくに苦労したことのないボンボンだからあぁなんじゃ?
陽気過ぎてついていけない時があるぜ」
風間「まあ、勢いがつけばスリーナインも余裕で超えるな。
生活については、ある程度質素な生活をしているらしい。
いざという時のために、ある程度だけ倹約しているんだそうだ。
倹約できるところだけらしいがな」
「あとふくよかだよな^^」
風間「あれは筋肉だ。
実際に触らせてもらったが、見事なもので硬く鍛え抜かれていた。
一度触ってみるといい。
あの人のことだ、頼まれれば断りはしないだろう。
それと、あの体型に関しては
人付き合いにおいても、過去でも色々とあって
それで悩み続けていて、あぁいう風になったらしい」
「ふぅーん。
まあ噂には聞いたことあるけどさぁ。
でも実際は嘘なんじゃねえのか?
口では何とでも言えるし^^♪」
風間「!…(怒震」
その言葉に、驚きのあまり足を止めた。
「人を避けて、話しかけても無視することあるし。
見下してて、やな感じしかしないんだよなあ~。
周りも皆言ってるぜ?」
風間「震)…(ぎりっ」
その男は、先に歩いていっていて気づいていないが
風間は怒りのあまりに
顔を歪めながら歯ぎしりし、拳を握り締めて震えていた。
「ってか二重人格だよな?
当たり前のように一緒にいるけど、気を付けた方がいいぜ?
あの人とは、付き合いも考えた方がいいと思うぞ?」
そう振り返った直後
ばきぃ!!!!!!!!
「!?;(え…」
どごおぉん!!!!!!!!
「ぐっ…何すんだよ!!」
左頬を右拳で殴り飛ばされ
先程まで話していた男が壁に埋もれ、思わず叫び聞いていた。
あまりの轟音に、隊員たちが集まる中…
風間「あの人が…
どういう思いをしてきたかを知っているか?」
一つの問いかけが、その場に響いた…