第32章 奇跡
ずさぁああああ!!
恵土の腰にしがみつき、倒れる風間と
尻餅をついてから、仰向けに倒れる恵土。
風間「秒数は!?」
すぐ起き上がりながら尋ねるも
堤『さっ…30分0.2秒…
ぎりぎり30分を超えています』
恵土「し、死ぬ;ぜえ
マジで死ぬ;;ぜえぜえ
呼きゅ、息g;」
ばてばてで今にも意識を失いそうになる中
風間「…堤、酸素スプレーはあるか?」
堤『は、はい!!』
風間「悪いが持ってきてくれ」
堤『解りました!』
その間に、風間が恵土を抱き起こし
堤から渡されたスプレーで、酸素を吸わせていた。
恵土「死ぬ;…死ぬ;…
1秒につき10回の刃;
ブランチすれば200;
避けるため;動くの;もうやだ;
モールクローも;ブランチも;
…死ぬ;」
風間「完敗です。
生身で無理をさせて、すみませんでした(お辞儀」
恵土「いや…
ちょうどいい…トレーニングだった…
もう……息絶え絶え;
全力尽くして、これか;はあ;
十二分に強くなったよ、お前…
強過ぎて;逆に困った」
そう言いながら息絶え絶えになりながらも伝える中
風間「……(微笑)
何よりの褒め言葉ですよ(微笑)
今まで鍛えて下さり
本当に、ありがとうございました(お辞儀」
嬉しそうに微笑みながら言い、頭を下げた。
今までの感謝を込め、数え切れない想いと共に…
田中隊は解散。
そして教わることも自然と終わると思っていた…
本当に、今までたくさんのことがあった…
とても楽しく奥深かった毎日…
言葉にできない深過ぎる恩があった……
それから
風間(俺も、これから隊を組む。
恵土先輩がそうしてきたように…
ここからが、本当のスタートだ!)
心機一転、自分の隊室へ入ったが…
恵土「よっ!(右手を振る)
やっぱりお前がいると落ち着くね~^^♪(るんるん」
風間「…(ぽかーん」
恵土「何その顔、あっはっはっ!^^」
風間「隊に入らないのなら帰って下さい!!(イラァッ!」
終わりかと思ったら、逆に始まりだった事に
つい先程まで感謝していた自分自身を殴り飛ばしたくなってしまったのは、言うまでもなかった…;
こうして、風間隊に入り浸る日々が始まりを告げたのだった……
風間「帰れえええ!!!(くわっ!」
恵土「え~。やだ!」