第32章 奇跡
以上が、小南が追憶している間に見ていた内容。
そんな中
他の人たちは生存方法を調べるため、書物を読みあさっていた。
時は再び戻り、追憶した後…
その当時と同じような星空の中、左手を握り締める。
お通夜や葬式の時、いつでも繋いでくれた手を懐かしむように…
恵土「…ん」
小南「恵土!?」
恵土「ぼー)…小南?」
小南「恵土…よかった(涙目&微笑)
もう一生、目を覚まさないのかと;(ぐすっ」
涙を右手でぬぐいながら言う中
恵土「勝手に殺すなよ;
まあ…いずれ、死んでしまうんだろうけれども;」
上半身だけ少し起こしながら言った。
小南「いいえ!
きっと、他にも方法はあるはずよ!!」
恵土「やめろ。
お前たちが生きてさえいれば、何もいらない。
ほっといてくれ」
少しうつむきながら言い、拳を握った。
失いたくないという、想いと共に…
その言葉の中、ある言葉が小南の脳裏に浮かんだ…
小南「…いやよ」
恵土「え?」顔をあげて小南を見る
小南「あんたが居なかったら、私は…
ずっと、一人だった!!」
両親が死んで、学校も変わって辛い思いもした…
小南「あの時、本気で私は死ぬつもりだった!!」
両親が殺された現場の中、涙を流していた。
小南「それでも…
恵土は、私に言ってくれたじゃない!!;
死にたい理由があるのなら、私が生きる理由になるって!!;
それは、互いにとってじゃないの!!??;」
その言葉のおかげで救われた。
それは『想い出』と
今もなお抱いている『想い』が、証明していた…
小南「あんたのおかげで
生きたいって思えるようになってたのよ!!;
死にたいって思いなんて打ち消されるぐらい!
それだけ、私にとっては大事な居場所になってたのよ!!;
今だって…そうじゃないの?;;
私たちと、生きたくないから…
そう言ってるの?(涙」
恵土「!」
小南「私は…もっと生きたい(ぽろぽろ」
涙を零しながら、恵土の左手を取って握る。
小南「恵土と一緒に、もっともっと色んなことをしたい。
もっと一緒に生きていきたい;;」
星たちが輝き、部屋の内部を照らす中
一筋の涙が、左手へ零れ落ちた…