第32章 奇跡
歌川「あの…
計算では何mだったんですか?
円状なら、抵抗もほとんどなく進めるかもとは思いますが」
恵土「正解。
確かに円状なら角度は常に一定で一番やりやすい。
私もできたし、可能っちゃ可能だ。
だけど、可能となる
『最も細身で小さな刃(最大延長距離:10m)』で計算した結果…
直径が『3.18309887m』で、πをかければ10mとなる。
と言っても、これは円周だ。360度のな。
そこまでだったら、私だってできたさ。
でも、それで半円にしたとして
直径では『6.36619774m』
グラスホッパーやトリオン体ならひとっ跳びって距離だ。
実際にやれば地面より上に出させる分、より短くなる。
最大でも『5m』程度の近距離じゃなきゃ、近界民とかを貫けない代物だ。
中距離にはなり得ない。
あまつさえ、地面よりも上でブランチさせるのなら
なおさら至近距離でなければ使えない。
だからもったいないんだよ、その分のトリオンが」
菊地原「じゃあどうやって物質同士が削れる音出してるんですか?」
風間「おそらく、先端だけを物質化させ
あとは分子レベルまで分割させたトリオンで押し込んでいるんだろう。
物質内だから分散もせず
上に出てからシールドで覆い、後にトリオンを分散させないものとするのだろう」
恵土「大正解(ずず)
透過させた方がトリオンの消耗も皆無になるし
それでも囮として使えるから先端だけやってたんだ(にや)
耳のいい人には効果てき面♪」
菊地原「うるさい(イラッ」
恵土「でも、あの状況で
もしテレポートで逃げられたとしても
即座にグラスホッパーを起動させて、瞬時に動揺する相手を斬る。
天井に逃げてスコーピオンを突き刺して
柄を握ったまま下を見ていたのは、全体を見通すためだし。
まだまだ戦いが続く可能性だってある。
常に次を考えた上での行動が必要不可欠になるからな。
要するに、結果的にそうなっただけだ。
終わらなければまだまだ続くぞ」
風間「なるほど。
本当に勉強になりました(微笑)
ありがとうございます(お辞儀」
歌川「ありがとうございます(お辞儀」
三上「ありがとうございます(微笑&お辞儀」
菊地原「ぷいっ)…(つーん」
歌川「お前も礼を言え!!;」