第32章 奇跡
歌川の攻撃を左膝から、小さな刃を生やして受け
菊地原の攻撃を左裏拳から、同様に生やして受け
その二つを同時にする中、風間の攻撃が迫る。
風間の眼前に右掌を開いて見せた直後
背後へ動かし、自身のすぐ背後に左手からグラスホッパーを起動。
上へ飛ばれる前に斬ろうとする中…
その攻撃が当たる直前に、爆風に包まれた
がっ!
最後には
天井に刃を突き立てて柄を掴んだ、無傷の恵土だけが見えた…
恵土「ふぅ~。
やっぱり、まだまだだな。
ちょっぴり詰めが甘い」
それから着地して言う中、恵土は尋ねた
風間「くっ…」
恵土「おーい、風間。
さっき起こった爆発、解るか?」
菊地原「爆発っていうよりサイレントブラスターでしょ?
音ありのを地面に隠していたみたいな感じの」
埃を払いながら言う中
恵土「ああ、そうだ。
それはいつ仕掛けられた?」
風間「…おそらく、壁を足場に跳ぶと同時に
俺たちの周囲を円状に斬った時」
恵土「正解。
で、それの発動条件は?」
歌川「まさか、グラスホッパーで上空へ離脱した時?」
恵土「正解。
では、どのようにして配置していた?」
風間「おそらくアステロイドとシールドを融合させ
併用したままにすることで、両方の特性を出させていたのでしょう。
まず、スコーピオンで床を斬ったと同時に
『『アステロイドによる攻撃』を
『シールド』で押さえ込まれたトリオンキューブ』を
伸ばしたスコーピオンの先から『分割』させると同時に
床を斬ったことでできた隙間に、音もなく配置していた。
床に刻まれた『円状に斬った範囲の内部』が
丸ごと消し飛ぶように計算して…
グラスホッパーを起動したのは、シールドを解いた証。
そしてグラスホッパーが起動したと同時に
シールドが解けたことで爆発が起きた。
自身は爆風と共にグラスホッパーによって上空へ退避。
そして円内にいた俺たちがやられたということでしょう?
自身は囮で、決め手はサイレントブラスター。
そうですよね?」
恵土「正確には違う」
『え?』
その後、作戦室で会議のようなものが開かれ
説明が始まった。