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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第31章 楽しみ




恵土「……忘れるよ。

たとえ忘れたくなくても、忘れてしまう。
体には残っているかもしれない。

それでも…
頭からは忘れられる…

最期にかけられた言葉も

その当時、何が起こったのかまでも……」

小南「いやだ…
忘れたくなんかはない!!」

恵土「…そうか。

なら、ボーダーに入るってことになっちまうけれどいいのか?」

小南「え?」

恵土「あのような近界民と戦い続けなければいけない。

強くなり続けていかないと、あの時のように失ってしまう。


同じような人たちが次々に増えてしまう。


…私は、近界民に村一つ殺された。

全員トリオン器官を奪われて、胸に穴が開いて…


必死に駆けつけた頃には…もう……

両親も同様に胸に穴が開いて、殺されていた…


そんな中、村人たちの血にまみれたモールモッドを相手に

1日半、ボーダーが来るまで奮闘して生き残った…


こっちの場合は、両親がボーダー関係者だった。

エンジニアであると同時に、アタッカーとガンナーだったんだ。


その当時の記憶も残ってる。

私は二度と、誰にもあんな思いを味あわせたくない。


だから戦ってるし、必死に駆けつけた…

それでも、間に合わないことの方が多い。


けれど、救えるのなら…

一人でも助けられるのなら、必死に駆けつけずにはいられない…


誰かを失うのは…

本当に、辛いことだし……


殺されるのは、特に辛い

憎しみや怒りと戦わないといけなかったり

同時に、苦しみや悲しみに押しつぶされないようにしないといけない…


その殺された人が望んだ分だけ、生きなければいけない…

殺された人が生きられなかった今を、生きないといけない…


それが一番難しい

自分が代わりに死んで、皆が生き永らえられればって思ったさ…


でも、それはかなわない…


だから…

私は、誰にも味あわせないために強くなり続ける。


そのために、戦いを続けてきた。

誰もが味わう痛みばかりの、嫌いだった戦いを…


そして…今までの戦いを無駄にはさせない。


そのために、今ここに居るし

お前を助けに来た(微笑」

そう微笑みかける恵土を見つめながら、私は決めた。


小南「入る」

寒い星空の中、一つの誓いと共に言い放った。

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