第31章 楽しみ
「どっちにしろ泣くんだなあ^^;」
そう言いながら、抱き締めながら頭を撫でてこられた
小南(お母さんと同じ手だ…
同じだ…この温かさも、向けてくる優しさも)
自身の体を包んだ、その両腕(上腕部)を離すまいと
私は必死に両手で掴みながらも泣き続けていた…
「大丈夫…大丈夫だよ、小南^^
居場所なら、ここにあるよ(微笑」
(最後の一言は、713ページ参照)
おそらく、壁にあった帽子の名札を見たのだろう
そうしながらでも、きちんと名前を呼んでくれた。
名字だけど、私はそれだけでも嬉しかった…
とっても…
とっても温かかったから、本当に嬉しくて……
それから、泣き疲れて寝てしまっていたのか…
目を開けると
そこはもう家ではなく、違う場所にいた。
「お。起きたか?」
小南「頷)…」
その問いかけに
私はこっくりと頷きながら、目をこすっていた…
「いきなりで悪いけれど、説明するな?
お前も見た、化け物みたいなのは
『モールモッド』って言う、トリオンをもとにして動く機械みたいなもんだ。
近界っていう、こことは違う場所からここに送られてきて
人を襲う近界民って奴だ。
ここまでは解るか?」
小南「うん」
とりあえず、言いたいことは解ったつもりだった。
「私たちは、その襲ってくる化け物を倒して市民を護るボーダー隊員。
そして、こちらの世界と
仲良くしてくれる近界民がいる近界とを繋ぐ、玉狛支部。
それが、今寝ているここだ」
小南「?」
「そういえば自己紹介してなかったっけ;
私は、その玉狛支部に所属している田中恵土(たなかけいと)だ」
小南「???」
恵土「どこら辺から解らなかった?」
小南「えっと、仲良くしてくれる?」
恵土「そうだなあ。
その送ってくる側にも、人はいるんだ。
近界民の中でも襲ってくる奴は
近界で、ここを襲うように指示しているようなもんで
そんだけ生きるためにもトリオンが足りなくて、切羽詰まってる奴等。
その中でも、まだ余裕があって
どちらにも損になるだけだから、襲わない人もいる。
その人たちのいる、こことは違う世界を『近界』と言って
こことを繋げて取引をする。
それによって
その近界民を倒すために必要な武器を得ているって感じだ」
小南「ふむふむ」