第31章 楽しみ
母「桐絵!走りなさい!!
早く、あの窓から逃げて!!
私が囮になるから!」
小南「いや!!
お父さんとお母さんを置いていけるわけないでしょ!!!(涙」
肩を掴みながら言うお母さんに
首を横に振りながら、必死になって叫んでいた。
死んでしまったとは思えず
横たわったままのお父さんにしがみつき、目を瞑りながら…
わけが分からなかった…
いきなり殺されて、奪われて…
一人で走って逃げたとしても生きていけるなんて、到底思えなくて…
ざんっ!!
そのいきなり響く音に、瞑っていた目を開けた
小南「お母さん?」
そう思って、さっき目を瞑って叫んでから
目を開けた時、目に映った光景は…
目の前にいたお母さんが
刃が胸につきたてられていた光景だった…
ざしゅ!!
突如、刃が抜かれて
血と一緒に、お母さんが覆い被さってきた…
小南「お母さん?…
嫌よ、こんなの;;
一人に、しないでよっ;(震)
一緒にいるって言ったじゃない!!;;」
涙ながらに必死に揺する中、
母「生きて…」
小南「お母さん!?」
母「お願い…
あなただけでも、生き延びて」
小南「いや…
お母さんも一緒じゃなきゃ嫌!!!;」
そう言いだすお母さんに、首を横に振りながら叫んでいた…
嫌だった、どうしても嫌だった…
大事なのに…
何で死んでいくのか解らなかった…
約束したのに、死んでいくのも
一人になるのも、嫌だった…
母「微笑)桐絵…お願い…よ
私の、可愛い…桐…絵(がくっ」
最後に、私を優しく抱き締めて
頭を撫でながら、愛おし気な瞳を向けて
微笑みながら言った後、力尽きるように首を垂れた。
小南「お母さん…お母さん?
おかあ…さん…
いや…
いやああああああ!!!!;;」
私は、抱き締めながら泣いていた…
死んでしまったことを信じたくなくて
離れたくなくて、一緒にいたくて…
そんな中、モールモッドが至近距離まで近づいていた
小南「ひっく;うぅっ;」
泣きながら、父親と母親から離れまいとしている中…
刃が両方から上がり、振りかかろうとした
その中だった…
ずばばぁん!!!!
一刀のもとに、モールモッドを二匹同時に片付けた
一人の、白いジャージ姿の人が入ってきたのは…