第31章 楽しみ
太刀川「わりぃ。我慢できねえ。墓をぶっ壊してくる!」
出水「落ち着いて下さい!;」
風間「落ち着け!」
太刀川「落ち着いてなんていられるかよ!!」
恵土「?これが普通なのに、何で怒るの?」
太刀川「普通なんかじゃねえんだよ!!!
普通ってのは…」
その言葉と共に、拳を握り締めながら震え
太刀川「友達がいて笑ったり泣いたり競い合ったり…
お前がくれたような毎日を、楽しく過ごすことなんだよ!!」
恵土「?
ここじゃあ、傷付かない日なんてないよ?(きょとん」
その言葉に押し黙り、沈黙が痛々しく響いた…
その中、外でも僅かながらに聞こえたように見えた
恵土「それにさあ
これは世界の縮図みたいなものでしょ?
誰かを迫害して、陥れて、卑下して、見下げて
それで傷付けても殺されても、自分たちに関係が無ければ笑っていられるでしょ?
見て見ぬ振りして、他人のふりして
みんなみんな、知らん振りしてさ。
いじめっ子に誘われたら、皆は断らずに参加したよ?
逆らわないようにして、傷付けて
心の中で泣いていようが、みんな笑っていたよ?
それの何がおかしいの?」
秀次「違う。
もしも…俺がやられていたら、どう思う?
同じことをされて、平気そうに笑っていたらどう思う?」
恵土「!!」
その言葉に、目を見開いた
だぁん!!
恵土「誰だ!!やってきた奴は!!!!」
次の瞬間、体を入れ替えて壁に手を叩きつけながら
凄まじい怒りをあらわにして、秀次へ叫び聞いていた
秀次「そうなるのが普通だ…
自分を大事に想うとか
本当はどう感じていたのかっていうのが欠落したんだろ」
奈良坂「周りの環境が、疑いを抱かせなかったんだろう。
辛いという感情や、痛みや苦しみまでをも…
そうでもなければ、きっと生き抜くことは出来なかった」
各々そう言い合いながら、秀次は恵土を抱き締め
奈良坂はその頭を撫でだした
恵土「?????」
風間「恵土…
そういう感情を、自身からでも抱いたり
怒ったり、泣いたりするものだ」
眉をひそめる恵土に言う中
恵土「?でもそうしたら泥バケツを被されたよ?
それで皆が笑ってたから
私も何でか嬉しくなって、思わず笑ったらもっとひどいことやって
それでもっともっとすっきりしたような笑いを浮かべてたよ?」
過去を語った