第31章 楽しみ
秀次「!!」
恵土「幼稚園でもそんな感じだったし。
姉上は紋章が出てないから言われなかったけど
こっちはこっちで、ずっとそういうのが日常だったし
そんなので辛かったら、とっくの昔に死んでたよ?」
その眼に浮かぶ闇は…
とても深く、重く感じた
秀次「っ…」
その中、壁に叩きつけるように殴りつけ
ばきぃ!!
だぁん!!
恵土「っ~;何だよ一体」
ぎゅっ
恵土「?」
壁を背にして立ったままの恵土を抱き寄せ
秀次「泣き震え)ッ…;」
震えながら、涙を流していた…
知らないまま、生きてきた…
知らないまま、知った気になっていた…
平和な日々を過ごしていたのだと、勝手に決めつけていた…
秀次「ねえねえ、その村ではどうやって過ごしてたの?」
恵土「ん?そうだなぁ~。
楽しかったかなぁ~?^^♪」
秀次「解んないよ、そんな言いかたじゃ」
恵土「あっはっはっ!^^
とりあえず、今は本当に幸せだ!(ぎゅ!)
秀次が傍に居るからな^^♪」
秀次「僕も幸せ!^^(ぎゅ!」
恵土「頬ずり頬ずり~!^^」
秀次「僕も頬ずり~!^^♪」
小さい時、住んでいた所を聴いても
そんな答えしか返ってこなかった…
それで、穏やかで幸せな日々を過ごしていたんだと思っていた…
自然の一杯な場所で恵まれて、次期村長として生きていたのだと思っていた…
それが…
こんな毎日を送っていたとは、思いもしなかった……
『すんごいいい人たちばっかだったよ^^』
そう、言い聞かせられ続けてきたから…
積み重なれば、殺しにも繋がる行為をずっと…
『嫌い』だとか言われるばかり、『消えろ』と望まれるばかり……
ただの『厄災避け』、利用できる『力』、
精神的にも肉体的にも長年続いたことで
感情を殺された、サンドバックとしての『人形』
ひどい扱いばかりを受けてきたのに
それでも、大事にしようとする
恵土「何で?…
何で泣いてるの?
皆笑ってたじゃん。
誰も否定なんかしなかったじゃん。
全員がそう言えばそうだって。
だから多数決があるんでしょ?
そういう方針だって、村ので決まってるんでしょ?
村長だって、村から離れさせないためだとか
結局、そういう目にばっか遭ってきたじゃん」
その声は、虚しく響く…