第31章 楽しみ
菊地原「…それで、どうしたらいいと思います?」
風間「何も…」
菊地原「え?何もしないんですか?;(汗」
そうすると風間さんは
飲み物が入ったコップを机に置き、その波紋を眺めながら語り出した。
風間「態度を変えると、逆に気を使わせたのではと心配する。
それ以前に、あの人は
もともと抱え込んでは罪悪感に押しつぶされる傾向がある。
今まで通り、変わらずに接してやれば
きっとあいつは、誰よりも幸せそうに笑うだろう」
そう言いながら、恵土先輩に目を向ける風間さんに
僕もまた、つられるように恵土先輩を見た
恵土「どうだ!?凄いだろ!^^」
歌川「うわっ!菊地原の戦闘姿入り!!」
栞「凄いね!^^流石恵土ちゃん!♪」
(その当時、12月22日まで栞はいた。
三上に引継ぎを頼んだのは、22日らしい。
その後、24日に木虎を庇って怪我を負うが別の話(467、468ページ参照))
風間「…あの人は、いつでも人のことばかりだ。
自分のことは、さほど大事に考えないくせ
人の為となると、本人からすれば苛立つほどに考え込み過ぎる癖がある(黒」
菊地原(あ、やっぱりそうなんだ;)←薄々感付いてた
風間「だが…そのおかげで、救われた面の方が多い」
菊地原「…まあ、あながち否定できませんね。
今日だけでも、今までだって…
色々と救われてきましたし、精神的にも色々と(溜息」
風間「…俺が護り抜く」
菊地原「?え」
風間「…(もぐもぐ」
何事もなかったように食べだす風間さんに、何も言えなかった…
その目があまりにも真っ直ぐで
真剣に、恵土先輩を見つめていたから…
風間さんと同じ切れ長の瞳のくせに、優しい顔ばっか向けて
頬を赤らめて、嬉しそうな、幸せそうな顔をしながら編んだ経験を離す恵土先輩を…
それに思わず溜息をつきながら、食事に手を伸ばした。
風間「お前は、恵土のことが嫌いか?」
菊地原「…いえ。
嫌いじゃないですよ」
これは、素直な気持ち
そして…
これからも変わらないと思える『本当の気持ち』は……
菊地原「あぁいう人となら
恋愛感情抜きでも、一生付き合ってもいいとは思いますけどね」
風間「同感だ」
この気持ちは
恵土先輩に救われた人たちが共通して持っているなのだと、後で解った…