第31章 楽しみ
その後、礼を言ってこられたが知らん振りをした
デリケート過ぎて、優し過ぎて…
本当に、何がしたいんだかわからなくなる時もあるけれど……
いつもその根底には、幸せを願っているのだと感じながら…
菊地原「結局の所、繊細っていうかなんていうか」
その後、風間さんたちが僕の家で誕生日会を開いてくれた時
なぜか恵土もいたけれど、遠慮抜きに話していた
風間「ああ。そうだな。
昔から、そういうのに敏感な人だった。
そして…
当の本人よりも、辛そうに感じてしまう。
それと同時に、それが苦しみにもなっているんだ。
生きる上において、特にな」
菊地原「…どうにかしてあげられませんかねえ」
風間「できたら苦労はしない。
第一、そういうことを今まで話すことができたのは
俺だけだったらしい(もぐもぐ」
チキン食べながら何言ってんだ、この人;
菊地原「チキンなだけに傷付けるのを恐れるという?」
風間「いや、人付き合いが苦手なだけだろう。
小さい時から、そのサイドエフェクトのせいで見え
その上、素直に話してしまう性格からか、一人きりだったらしい。
逆に気を使わせて、気味悪がられて…
その上、普通の人には見えないものまで見えていた。
霊も含めてな」
菊地原「へー
(まあ、嘘はついてないみたいだけど(もぐもぐ」
風間「邪気やら殺意やら悪意や怒りまで…
こういう類のものは、闇に包まれた黒い靄のようなものが見えて
心の底から冷え冷えするような冷たさを感じるらしいが
逆に、好意や善意や想いなど
幸せを感じている時に出ているオーラのような類のものは
とても明るい光のもやが見えて、安心するような温かさが感じられるらしい。
最終的には、そういうものが見え
心や霊や残留思念の先ほど言ったような念などの『詳細な言葉』などが聴こえ
その上、その先に起こる未来やら手加減の程度や
感じ取れたことで、よりいっそう気味悪がられたそうだ。
それに伴い、初対面で人と距離を取られがちになり
ひどい目に遭わなかったことはなかったらしい(ずず」
飲み物飲みながら淡々と語れる過去じゃないんじゃ?;
(思わず、菊地原は冷や汗ながらにそう思った)