第31章 楽しみ
本当…
小さい時から、このサイドエフェクトでろくな目に遭わなかった…
「あいつ、クラスの雑談全部聞こえてるんだってよ!」
「マジで?おちおち会話できないな!(微笑」
勝手に気味悪がられては距離を置かれて
「あいつの誕生会に誘われた?」
「ああ。ぜってーいかねえ!」
「俺も!」
「っつーか行くやつの気が知れねえ!」
「同感!」
『あっはっはっはっ(微笑』
好き勝手に言われるばかり
「お前、態度悪いぞ」
先生までこの始末
聞きたくて聞いてるわけじゃないんだけど
言った所で意味ないし、信じられないのが当たり前だった
でも…
ボーダーにトリオン量が多いとかでスカウトされて
来たおかげで、同じ目に遭ってきた人に出会えた
気味悪がられてばかり…
誕生会なんて来るわけない。
誕生日を祝われるわけなんてない。
小さい時、サイドエフェクトから気味悪がられてきた…
祝われなくて当たり前だった
それが簡単に覆されるなんて、思いもしなかった…
その時、僕は思った…
なんでもっと、早くに出会えなかったんだろうと…
2014年12月14日に…
2年前、風間隊結成時から
風間さんの先輩だとかで、堂々と風間隊の作戦室に出入りしていて
終いには、本部に来た時に居座るようになっていた…
最初こそ、意味が解らなかったが
宇佐美と小南先輩が仲が良かったらしく、デザートの差し入れに来ている時が多かった。
それでも、また暇人が来てるだのなんだの
嫌味やらたくさん言ったり、嫌がらせもしてきたのに…
ヘッドロックで済ませておしまいだった
そして、その運命の時…
『どうせまた来てるんだろうな』
『誕生日だなんてわからないだろうな』と思いながら
まだ僕以外の風間隊が来ていないはずの作戦室の扉を開けた。
すると…
恵土「誕生日おめでとう!^^」
クラッカーを鳴らしながら、叫ばれた…
菊地原「…」
驚いて目を見開いていると…
恵土「?どうした?大丈夫か?」
心配そうな顔と、その言葉が不思議と焼き付いた…