第30章 明日へ
恵土「損得勘定も出来ない。
この世に生きている全てが大事だから、全部護ろうと躍起になってた。
いずれまた、未来で見えるはずの『幸せ』と『笑顔』のためにって…
不器用で空回りしてばっか…
単純なことしか出来なければ、想って行動するしか出来ない。
失うことが怖くて、必死に暴れ続けて…
少しでも想い出を作りたくて
もっとたくさん、一緒に色んなことをやりたいって欲が丸出しで…
私は…
本当は臆病者で寂しがり屋で、誰よりも弱い人間なんだ」
そう言いながらうつむいていた…
いつの間にか、止まっていた涙にも気付かずに…
木虎「それを言うのなら、私も弱いですよ。
それに…
本当に弱いのは、その弱みを弱さだと認められない人だと思います」
恵土「!」
木虎「だから…
恵土先輩はとても強いです。
心だけじゃなくて、身体も。
ちゃんと何が何なのかを見極めようとして、見失わないようにしている。
どれだけいたくても、心に蓋をすることになっても…
常に正しくあろうとする、人の為にあろうとするあなたは…
私にとって…理想なんです。
だから、勝手に決めつけないで下さい!
誰が何だと言おうと、私はあなたを否定しません!
たとえそれがあなたであったとしても、絶対に認めません!!」
恵土「…船の上でいうことでもないかもだが;
バランス崩れそうだぞ;前のめりになり過g
木虎「今言わないでいつ言うんですか!!
…
第一、あなたは抱え込んでばかりです…//」
眉間にしわを寄せながら、辛そうな顔をして言い連ねる
木虎「いつだって、一人で頑張って…
頼りにして欲しいのに
声をかけてくれれば、いつだって駆けつけるのに…
何でいつだって…
迷惑をかけたくないとか、色々あるのも解ってます……
それでも、今更過ぎるでしょう!?
今までだって、たくさん一緒に過ごしてきました!
頭を撫でられたり、変にからかってきたリ
真っ赤になるのを面白がられたり、楽しいことをしたり…
山ほど、たくさんしてきたし…
嫌なこと以上に、たくさん助けてもらいました!!」
目を瞑りながら、想いを込めた叫びが響く…
それは、序章に過ぎなかった…