第30章 明日へ
恵土「…ずっと、おかしいとは思ってた。
始祖神の力を十二分に発揮できるのも
トリガーでシールドとハウンドを融合させたとはいえ
ヴォルフを、自然に出せるようにしていた所も…
始祖神が近くでできるようにやっていたとなれば納得がいく。
ずっと、見守ってくれていたんだろ?」
『…』
それに対し、静まる
声もなく、川のせせらぎの音だけが響いていたのだが…
ヴォルフ『それは違うぞ。
始祖神は白帝ではない。
想いの結晶であるが、始祖神ではない。
そして…
使う度に、何度も回復してきたのは私だ。
と同時に、白帝の発動条件は…
村人たちの『恵土に対する想い』に応えられると認められた者だけだ』
恵土「…;
要するに、私への想いが尋常じゃなくて
護り抜きたいってのが強過ぎる人ってことか?;」
ヴォルフ『そういうことになるな;』
突如として現れたヴォルフによって、否定された;
恵土「…でも、始祖神であることに違いはないじゃん。
力自体は、始祖神固有のものみたいなもんだし
だからこそ始めの状態から、その使った人のトリオンにしてたわけだし」
ヴォルフ『まあ、成り立つことを許可してもらっているようなものだしな』
恵土「…悪い;勘違いだったのか;」
ヴォルフ『いや、始祖神の想いも含んでいることから
あながち勘違いとは言い切れないぞ?』
恵土「最初からそう言えよ!!;
すっげー恥ずかしかったんだぞ!!;
間違えたかと思ったじゃんか!;(ぷんぷん」
ヴォルフ『知るか。
それよりも船酔いしないように気を付けろ!!』
恵土「解っとるわい!!」
緑川「…船、選んできたけどよかった?^^;」
恵土「ありがとう、助かった^^;」
話している間に気を使って船を取ってくれていた緑川に対し
礼を言うも、秀次は詰まらなさそうな顔をしていた;
秀次「…(溜息)バカらしい。帰る」
恵土「えー;護衛には?;(汗」
秀次「こいつらがつくだろ。
2時間おきに変わるから覚えてろ」
恵土「了解;(苦笑」
そんな中、突如として
四人による船旅は、始まりを告げた…
(1月5日AM0:30~AM4:45更新、1000~1006(7ページ))