第30章 明日へ
恵土「う~;(ぐるぐる」
木虎「…トリオン体になってて、本当によかった!;(がくっ」
騒がしくなる周囲とは対照的に
放心状態だった木虎だが、無事な恵土を見た瞬間
安堵しながら、その傍にひざまずいていた…
秀次「悪い、手が滑った」
そこに秀次はおりながら謝ったが
恵土「大丈夫。
…弟子たちの成長ってのは、結構嬉しいもんだな(微笑」
迅『というより
ボーダー内には、恵土から教わった人たちばかりだけどな』
恵土「そこまでじゃねぇよ…
何でもかんでも教え込んでたら
こうなったらこうって無意識に断定され、動きが制限される。
対応策となる動きが狭まり、行動パターンが染みついちまう。
そうすれば、それ以外の予測もつかない方法が襲ってきた場合
その対応が遅れることが多くなり、動きが読まれやすくもなる。
自分で考えて行動しなければいけない時
いざって時に頭が働かなくなり、役に立たなくなる。
戦いにおいて、一番必要かつ有効なのは…
相手が予測できない、多彩な動きと戦術を発想し続けられる『頭』
避け方から、戦い方まで全部な
相手が対応するまでの速度を圧倒的に上回る速度で、それらを息つく間もなく実行し続けられる『敏捷性と持久力』
相手がついてこれるような速度でやった所で即座に対応されるのがオチ、なら次に必要となるのは動きを実現し続けられる持久力だからな
僅か一瞬の間に相手へ打ち込む攻撃に伴い
瞬く間に全身の力を一点に集約させ、全てを打ち負かす
『筋力を無駄なく、一瞬の内に相乗させられる瞬発力』
慣れれば触れただけで、一瞬で衝撃波と共に吹き飛ばせる
相手の攻撃の方向を見切り
それから見て、上下左右90度の方向から攻撃を繰り出して凌ぎ続けられる『判断力と実行力』
見極めと行動が肝心だ、できなければ死ぬ
相手の攻撃が『自分のどの部位』に迫って来るかを
空気を通してでも、即座に肌で感じ取れる『感度』
どこに迫っているか、ぶつかる直前でもいいから感じ取れさえすれば
敏捷性を持っていれば即座に対応でき、やりようはいくらでもあるからな