第1章 Tail 1~出会い~
澄華「あのぉ、お二人は23歳でしたよね?」
潮浬「え?そうだけど…何か?」
澄華「ううん~、澄華が一番若いんだ~と思っただけぇ」
なんか鼻につく…
まぁいいけど。
カチャカチャとメイク道具の音が響く。
こんなもんでいいか。
どうせメイクしようがしなかろうが
見せる相手もいなければ褒めてくれる人もいないし(笑)
そんなことを考えながら
メイク道具を片付けていると桃子が口を開く。
桃子「ちょっと!なぁにあの子!!」
ひそひそと耳元でつぶやくがなんだか憤っている。
怒っていてもなんだかかわいい(笑)
潮浬「うん、なんだろうね…(笑)」
ぽつりとつぶやいて空を仰いだ。
そこに亜津実さんが入ってきた。
亜津実「はい、あなたたち準備OK?」
私たちの顔を一通り眺めて
亜津実「では、行きましょうか!」
亜津実さんの後に続いて部屋を出て隣りのスタジオ内に足を踏み入れる。
そこにはテレビや映画に出てくるような本格的なスタジオが広がっている。
たかが証明写真一枚撮るために
こんなところでとるのはありなの?
思わず額を汗が流れ落ちそう…。
スタジオの隅にはさわやか男子が一人たたずんでいた。
亜津実「じゃあ、東さんからいこうか」
亜津実さんが澄華ちゃんに声をかけると
ルンルンした様子で澄華ちゃんはスタジオの中央へ足を進めた。
カメラマン「はい!いくよー」
―――カシャカシャ
カメラマン「はいOK」
澄華「ありがとうございましたぁ」
亜津実「じゃあ次は…藤崎さん」
え?私最後…?
うっそ~!!