第2章 Tail2~過ち~
電車を降りビルまでの道を歩いていると
後ろから声をかけられた。
桃子「潮浬~!!」
今日もふわふわのロングヘアをなびかせて
甘いキャンディみたいな香りを漂わせながら
桃子は駆け寄ってきた。
桃子「おはよう!」
潮浬「おはよう」
桃子「いよいよ今日から本格始動だね」
そう
今日から本格的に業務を開始する。
分からないことだらけで不安も多いけど
なんだかわくわくする気持ちが勝っている。
潮浬「緊張するけど桃子がいるから大丈夫かな!」
桃子「桃子も!!」
そんな他愛もない会話をしているうちに
会社にたどり着いた。
正面限界をくぐりセキュリティゲートに
昨日もらったIDカードをかざしてゲートを開く。
―――ピーッ
なんだかハイテク過ぎて自分の職場なのが嘘みたい。
エレベーターに乗り込み上にあがっていく。
―――チーン…
エレベーターが到着し、正面の受付に目をやると
亜津実さんが私たちを待ちわびていたかのように
微笑みかけてくれた。
潮浬「亜津実さん、おはようございます!」
桃子「おはようございます」
亜津実「おはよう!早いのね(笑)」
潮浬「初日なので気合いれすぎました(笑)」
亜津実「ちょうどよかったわ!デスクに案内するね」
こんなきれいなオフィス内に自分のデスク…
聞いただけで心躍る響きだ。
亜津実さんに連れられて
オフィスの奥へと進んでいく。