第13章 灰色のキミと【※】
私は図書室へ行きなにか本を探す。
(あ、これ懐かしい。)
手にとったのは以前読んだことのあるライトノベルの本だった。
帝光の図書室には有名タイトルのラノベがいくつか置いてあった。
それを持ち席に着き時間を潰す。
ーーーー。
「あの、すいません。」
懐かしいなと思いながら読みふけっていると一人の女の子に声をかけられる。
「そろそろ閉館なので…。」
時計をみるとまだ6時すぎだった。だが閉館なら仕方がない。本を元に戻し図書室を出る。
(あー…なにしよー。)
唯一暇つぶしのできる図書室から追い出され行き場を失う。
(体育館いったら征十郎に見つかるし…。……あ、そうだ。)
私の足は三軍が練習している体育館へと向かった。開いていたドアからなかに入り入口付近にいた三軍のコーチに一言声をかけ練習を二階から見学させてもらうことにした。
(ここなら大丈夫でしょ。)
その練習は一軍と違い本当に基礎中の基礎の練習を繰り返し行っていた。
(あ…いた。)
お目当ての少年を探すのは一苦労だった。黒子テツヤ。彼の影の薄さは本当に?と思うくらい薄かったが決して見えないというわけではなかった。
頑張ってるな、と思いずっとその彼の姿を目で追っていた。
しばらくしてポケットでヴヴヴと携帯のバイブが振動する。
確認すると祥吾からの連絡だ。
『もしもし?』
「あー今終わったから先に学校出たとこのコンビニ行っててくんね?着替えたらすぐ行っから。」
『はーい。』
それだけ言うと電話は切れた。一軍の練習が三軍の練習より早く終わることに疑問を抱いたがとりあえず言われたとおり体育館を出てコンビニへ向かった。