第11章 “ワタシ”
体育館に戻るとちょうど休憩をしているところだった。
時計をみると部活がはじまってから一時間半ほど経っていた。
(あー結構経ってる。)
「おーどこいってたんだ?」
虹村さんがタオルで汗を拭きながらこちらに歩いてきた。
『向こうの体育館に見に行ってました。』
そうか、と返され
「今から試合形式で練習すっけど…水崎、スコアボードやってくれないか?」
スコアボードって…あの点数めくるやつだよな、とそのスコアボードのほうへ目をやる。
「点数とかはわかるよな?」
試合のシーンは漫画で何回もよんでいた。
(普通は2点で半円の外から打ったら3点、フリースローは1点だよね…?)
『…たぶんわかります。』
「誰かサポートつけるからとりあえずやってみてくれよ。お前がそこに立ってるといつもより動きよくなるやつ増えっから。」
虹村さんの言ったことの意味はよくわからなかったがとりあえずサポートをつけてくれるというなら、と思い引き受けることにした。
トコトコとスコアボードの横までいく。
「スコアボードやるのか?」
緑間が横に立ちそう聞いてきた。
『うん!虹村さんにやってって頼まれた。』
「そうか。…俺のうつシュートはすべて3点だ。間違えず3枚めくるのだよ。」
メガネをクイッとさせ笑ってこちらを見る。
「まぁ絶対外れることは絶対にないのだがお前が見ているのだ。格好悪いとこは見せられないからな、、、。全てきっちり決めてみせるのだよ。」
「あれー?梓ちん点数係ー?俺も一緒にやりたーい。」
そこに敦もやってきた。
「紫原は試合に出るのだよ。」
「えーー。めんどくさーい。まぁでも梓ちんがそこで見てるなら頑張ろっかな?」
なんとなく虹村さんの言っていた意味がわかった。
「点数間違えんなよー?」
大輝もこっちに来て話に混ざる。
はじめっぞーと虹村さんの声でコート上に部員が集まる。
「これ持ってて。ちゃんと見てろよ?」
大輝にタオルを渡され彼はコートへと向かった。
虹村さん、灰崎、緑間
征十郎、大輝、敦
と別れあと名前のわからない部員が2人ずつ各チームに入っていた。