第10章 帝光バスケ部
放課後をむかえ征十郎に行こうかと言われ一緒に教室を出た。
「こうやって部活に一緒にむかうのも久しぶりでなんだか嬉しくなるね。といっても一ヶ月ほどしかたっていないが。」
征十郎がその言葉のとおりニコニコしながら廊下を歩く。
「俺は部室に寄ってから体育館にむかうから先にむかっていてくれるかい?」
さすがに部室はついていけないので言われた通りに体育館にむかった。
なかを覗くとすでにそこには何人かの部員が練習をしていた。
しばらくその入り口から中を覗いていると
「…梓さん?」
いきなり後ろから声をかけられる。
(あ、この声…)
振り返るとそのには自分と同じ水色の髪をした少年がたっていた。
驚いた表情で彼をみると
「あ…そうか……僕、黒子テツヤです。バスケ部の…三軍ですけど…」
そう少年がいうとそれに続けて
「…部活出るんですか?」
と聞いてきた。
『あ、今日は見学だけさせてもらおうかなって。征十郎に先に行くようにいわれて…』
目の前に現れた彼に驚きながらもその質問に答えた。
「赤司くんに言われたなら一軍の体育館ですね。それならこの先にある体育館ですよ。」
彼が指を指す方にもうひとつ体育館がある。
そうか…この学校体育館ひとつじゃないんだ。
『あ、ありがとう!黒子くん。』
「どういたしまして。」
彼がやんわりと微笑む。
『黒子くんは練習順調?』
彼にはなぜか話しかけやすい雰囲気がただよっていた。
「順調……というのかはわかりませんが居残りも青峰くんに付き合ってもらって何かを掴めそうなところにはきています。」
そうニコニコ話す黒子の姿からは本当にバスケが好きなんだなというのが伝わってくる。
「あ…そろそろ始まるので」
そう言う黒子に頑張って、応援してる、と伝えるとはいっ!と元気に返し体育館へとはいっていった。
(ワタシもいかなきゃ。)
黒子に教えてもらった体育館へと足を進めた。