第10章 帝光バスケ部
ワタシもそこへ座り
『はい、敦。』
と唐揚げを差し出す。これはもう日課になっていた。
「わーい。梓ちん昨日大丈夫だったー?」
『大丈夫だったよ。…はい、大輝も唐揚げ。』
「おー、あんがとなー。」
口いっぱいに食べ物を放り込みリスみたいになっている。可愛い。いつもと同じ大輝だ。
「昨日は部活が出来なかった分今日は少し長めにやろうか。一日で体力が落ちることはないが皆も少しでも長くボールに触っていたいだろう?」
征十郎が今日のトレーニングメニューを紙に書き出しながらそう言った。
「えー赤ちんそれ基礎練増やしてるじゃーん!ボール関係ないじゃーん!俺それきらーい!」
「んだよ赤司!どーせなら試合にしよーぜー。そっちのがやる気でるわ!」
「何事も基礎は大事なのだよ。」
『…あ、ワタシ今日部活見に行ってもいい?』
恐る恐る聞いて見た。皆とこうして話しているうちに皆がバスケしている姿を生でみたいという自分の欲が出てきてしまっていた。
(……見るくらいならいいよね。)
「ん?梓が来たいというなら構わないよ。俺たちも嬉しいし。」
征十郎が微笑みこちらを見てそう言う。
「うんうん、俺今日新しいまいう棒持ってきて朝部室のロッカーいれてきたからあとで梓ちんにあげるねー!」
紫原も嬉しそうにこちらをむいた。