第10章 帝光バスケ部
翌朝なかなか起きてこないワタシを兄が部屋まで起こしにきた。
目覚ましをセットせず寝てしまったからだ。
いつもより遅れて起きたため急いで身支度を整えると洗濯機からすでに乾燥し終えたものを取り出し中身の見えない袋にそれを入れ鞄にしまう。
朝食を慌てて口に放り込み家を出る。慌ただしくはなったが支度をテキパキと済ませたためいつもどおりの時間に家を出ることができた。
外は昨日の大雨がまるで嘘かのような晴天だった。
学校につくと自分の教室に向かう前に大輝の教室による。教室のドアから顔を覗かせるがまだ登校していないようだ。
他のクラスを覗くのは初めてで緊張したがさほど自分のクラスと変わらなかった。
だが顔を覗かせた際何人かの生徒がこちらをみながらヒソヒソと話をしている。
大輝はいないし気まずくなったのでそそくさと自分の教室へと向かった。
ーーー、昼食の時間になりいつもと同じように征十郎と食堂へと向かう。
大輝に会えるからそこで渡せばいいとも考えたが少し中身が渡しにくいものだったのでまた後にしようと思った。
ワタシは相変わらずの唐揚げ定食。
たまにオムライスやうどんなども食べるが結局ここに落ち着く。
トレーを持ち移動するとすでに皆の姿があった。
「昨日の雨すごかったねー。あれ全部ねるねるねるねだったら俺すげー嬉しかったなー」
「なにを言っているのだよ、紫原。ねるねるねるねだったらベタついて気持ち悪いのだよ。」
「おいおい、緑間。いちいち紫原の言うことに突っ込んでたらきりねーぞ?」
とくだらない話で盛り上がっている。