第9章 青いキミと【※】
「梓、皆と仲良くしてるんだね。よかった。皆よくうちに遊びに来てたからね。俺のいるときにまた皆で遊びにくるように伝えておいてよ。皆弟みたいに可愛いから。」
敦くん来るならお菓子いっぱい用意しておかなきゃ、真太郎くんになんか役に立ちそうなもの渡したいななど彼らの話をしているうちにグツグツと鍋がいい感じに煮えてきた。
兄があとはやるからお皿だけ運んでと言うのでとりわけのお皿などを持ちダイニングテーブルについた。
兄が鍋つかみで鍋を運びテーブルの真ん中においた。そのまま蓋をあけるとキムチ鍋のいいにおいが食欲をかきたてた。
いただきます、と手をあわせ食事をする。
そういえばさ、と兄が話を切り出す。
「林さん電話繋がらなかったでしょ?」
林さんというのは前にお迎えにきてもらったりしていた水崎家の使用人のことだ。
「なんか携帯雨のなか水没させたらしいよ。メモリーもないし会社名義で持ってたから機種変更もなかなかできなかったみたいで。さっき父さんから電話がきて梓に迷惑 をかけていたら申し訳ないと伝えて欲しいって林さん言ってたって。」
どうりで電話が繋がらないわけだ。あの大雨だったし防水でないのならそれは仕方ないと思ったのとこんど林さんにあったら別になにも困りませんでしたよと伝えてあげよう。
食事を終え私は浴室へむかい洗濯機をまわした。
(大輝の下着と靴下、明日持っていってあげなきゃ。)
洗濯機を回している間にお風呂にはいり上がる頃には洗濯は終わり乾燥に入っていた。
まだ終わりそうにないのでいったん自室へもどりベッドにダイブした。
さすがにもうシーツは冷たくなっていたがいつもよりくしゃくしゃになっているシーツがここで大輝としていたことを思い出させる。
ぽふっと大輝が顔をうずめていた枕に同じように顔をうずめるがかすかに柔軟剤のにおいがするだけで大輝の匂いはそこには残ってはいなかった。
だがなぜだか気分はよかった。ふふふっと笑い枕を顔にあてたままコロコロと転がっているうちにいつの間にかワタシは眠ってしまった。