第9章 青いキミと【※】
『………大輝??』
枕に顔をうずめたままで大輝からの返事はない。
背中をぽんぽんとしてもう一度大輝?と声をかける。
「………。……恥ずかしすぎて顔あげらんねぇ、、久しぶりだからって、、いくらなんでも早すぎる、、、。」
くぐもった声で大輝が返事をした。ワタシは思わずフフッと笑い
『…ねぇ大輝、、チューして?』
と言うと大輝が顔をバッとあげワタシの唇にチュッとした。
その勢いで起き上がりズルっとモノを抜くとベッドサイドにあったティッシュボックスを手に取りワタシの下半身を拭いてくれた。
自分の後処理も済ますとバタンとワタシの横に倒れこむ。その時布団も一緒に引っ張ってきてふわっと二人でその布団に包まれた。
モゾモゾっと大輝が動くとワタシの首の下に手を入れ腕枕をしてくれた。ワタシは大輝のほうを向きスッと身を寄せると空いているほうの腕でワタシをギュッと抱きしめた。
「…………嫌じゃなかったか…?」
『…ん、大丈夫。』
大輝の質問に大丈夫という答えはあってはいないかもしれないがワタシはそう答えた。
「梓がさ寂しいっつったんだよ。」
ん?と反応すると大輝は続きを話し始める。
「俺らの関係…。お前さ付き合ってた奴がいてさ…そいつと別れた後あんま元気なくてよ。飯も全然食わねーし俺らともあんま話さなくなってって。そーゆー日が続いてたときに俺と二人で帰ってるときいきなり泣きはじめて俺の腕掴んで寂しいっつったんだよ。…普段本心口にしねーやつにいきなり寂しいって言われて俺思わずその場でお前のこと抱きしめたんだ。そしたら大輝、抱いてって。………俺ずっと梓のこと好きだったからさー。頼ってくれた相手が俺ってのが嬉しくて。その勢いで梓とやった。」
『……そっか。』
「その場だけだと思った。だけどさ、一回甘い汁吸うととその味って忘れらんねーのな。梓から言われたのはその一回だけだったんだけどそのあと俺から誘っても断んねーからズルズル続いてそーゆー関係になってた。」
すごく複雑な気分だった。自分がというより大輝の気持ちを考えると申し訳ないことをしたと思った。
自分の失恋の痛みを彼を利用して癒そうとしたんだ。直感だが“ワタシ”は大輝が自分に惚れているというのに気がついていたんだと思う。だから大輝を選んだんだ。