第9章 青いキミと【※】
また外を見るが雨脚が弱まる気配などどまったくない。
青峰の家は歩いて帰ると30分以上かかる場所にあるらしい。
この雨の中30分以上も歩くのは可哀想だ。
『…お母さん仕事終わるまでうちにいたら?』
この雨だ。何か危険なことが起こるかもしれない。かといって帰らずここにずっと立っているわけにも行かない。
幸いワタシの家は学校から数分の場所にある為青峰が家まで一人で帰るというリスクに比べたらよほど安全だろうと考えたのだ。
「…梓ん家?……んーまぁ梓がいいならそうしてくれると助かるけどよ…。」
『よし!じゃぁ決まり!!これ以上ひどくなる前に急いで帰ろっか。』
そう決めるとパッと傘をさし昇降口を出た。
豪雨のなか私は青峰と二人で帰路についた。
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いつもなら楽に帰れる道が同じ距離だというのに倍以上の疲れを感じやっとの思いでマンションへと辿り着いた。
傘の意味はあったのか?と思うくらいワタシたちはびしょびしょに濡れていた。
コンシェルジュがバタバタと駆け寄り大丈夫ですか?と小さなタオルをワタシたちに差し出してくれた。
それを受け取りありがとうございますと返しエレベーターに乗る。
「まじやべぇーわ、雨。こえー。」
エレベーターの中で青峰はもらったタオルで濡れた箇所を拭くがそんなんじゃ足りないくらいワタシたちは濡れていた。
我が家の扉を開くとそのまま青峰を連れて洗面所へ行き服を脱いでシャワーを浴びるようにすすめた。
雨に濡れて身体がだいぶ冷えてしまっている。
「梓も濡れてんじゃねーか。先入れよ。」
と言われるが着替えとか用意するからその間にチャチャッと入ってと青峰の背中を押し洗面所の扉を閉めた。
そこから扉を開けることはしなかったので大人しくシャワーに向かうのだろうと思い
私は自室でびしょびしょの制服を脱ぎ身体を拭いて部屋着に着替えた。
そして兄の部屋に勝手にはいり青峰の着れそうな部屋着と、兄の下着の入った引き出しからまだタグのついた新品の下着を取り出した。
洗面所の前まで行くとシャワーの流れる音がしたのでこっそりとドアをあけ浴室の前の棚にバスタオルと着替えを並べてリビングへと移動した。