第9章 青いキミと【※】
またそれから数日が経った。
その日は朝からあまり天気がよくなかった。
午後になっても天気はよくなることはなくむしろ雨の勢いはどんどん増していった。
『雨ひどいね…。』
窓の外を見てそう言うと
「今日はまだ荒れるみたいだよ。」
と征十郎に返された。
午後の最後の授業が終わると担任が教室にやってきて
「今日はこれからもっと天気が荒れるから全部活動は活動を一切禁止としてすみやかに帰宅ということになった。寄り道せず皆家に帰るように。皆帰るまで先生ここにいるからなー。」
と告げ、担任席に座る。
「…梓どうする?俺は迎えを呼ぶけど一緒に乗っていくかい?」
『あ、大丈夫。私も迎え呼ぶから。』
「そうか、それなら安心だ。でも気をつけ帰るんだよ。」
そう言って征十郎は帰っていった。
携帯を取り出し迎えを呼ぼうと使用人に電話をかけた。
が
ーお掛けになった電話は電波の届かない場所にあるかーーー
そうガイダンスが流れ何度掛けても変わることはなかった。
(……まじか。)
まぁ自分のマンションは近場なので歩いて帰れない距離でもない。びしょ濡れになる覚悟を決め昇降口へとむかった。
下駄箱の外に目をやるとすごい勢いの雨でこの中を帰るのかと思うとやはり使用人の電話が繋がるまで待とうか…という気持ちがうまれた。
そんななかふと目を横にやるとすでに靴に履き替えた状態で同じように呆然と外を見ている青峰を見つけた。
『あ、青峰くん!』
ワタシの声に気づきおー!と手をあげる。
『一人?桃井さんは?』
桃井の名前は皆で昼食を食べている中で何回も出てきていて青峰の幼馴染だということも本人から聞いていたのですんなりと出せた。
「あーさつきは女友達の親が迎えに来るからっつってその車に一緒に乗って帰ったー。俺も親呼ぼうと思ったら雨のせいで仕事が遅れててまだ終わりそうもねーんだと。だから歩いて帰ろーと思ったんだけど…この雨だからよ。」