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【黒バス】夢の中で【R-18】

第5章 放課後の屋上【※】




屋上を飛び出し泣きながら階段を駆け下りる。


そこですれ違いに
「あっ!おい水崎?!」
と声をかけられグッと腕を掴まれた。

パッとそちらを向くと敦ほどまで行かないが高身長の男子がいた。

涙が滲んではっきりと顔は見えなかったが

「泣いてんのか?なんかあったか?!誰かに虐められたか?!」

その声とぼんやりみえたシルエットであぁ、この人か…。と頭で認識した。

『にじ…むらッさんッ……』

ワタシの腕を掴んでいたのは帝光バスケ部キャプテン虹村修造であった。

「どうしたんだ?」

掴んでいた腕を離し優しい声でワタシの頭を撫でる。

“灰崎に無理矢理キスされて泣いて逃げてきました。”なんて恥ずかしすぎて言えない。

そもそも虹村さんと灰崎って中学時代は仲良い(?)先輩後輩だったよなー。かまってちゃんの弟をいじめるふりしてなんだかんだかまってあげてるお兄ちゃんみたいな…てか中学のときの灰崎って可愛かったよなー。

と考えているうちに先ほどまでイラついていた灰崎への気持ちが落ち着き涙もとまっていた。


「……大丈夫か?落ち着いたか?」

色々考えている間虹村さんはずっと頭を撫でてくれていた。

『あ、はい。大丈夫です。なんかすいません。』

眉を下げ少し困ったように笑う。

「…大丈夫ならいいけどよ…。てか水崎、お前記憶とんだってきいたけど俺のことわかるのか?」

……あ、やばい。さっき名前を呼んでしまったことを思い出した。

正直言い訳などせず、はい、わかりますーと答えても別にいいのかもしれないが他の皆には“あなたのことワカリマセーン”で通して来たのだからここもやはり誤魔化さなければと判断した。

『あ、お昼に見かけて征十郎にあれがバスケ部のキャプテンの虹村さんだよって教えてもらって…』


咄嗟に出た誤魔化しがこれだった。
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