第4章 奇跡の出会い
「トレーニングメニューに関してはしばらくの間全体トレーニングに切り替えていこうと思う。監督と虹村さんもそう伝えるつもりだ。」
ハッと征十郎の声に反応する。
(虹村修造。そうか、まだ中一の秋。虹村さんがキャプテンなのか)
「トレーニングを切り替えたあとなのだけど梓はどうしたい?マネージャーとして部に参加してもいいと俺は思うのだけど…」
「梓ちんー!そーしなよー!そしたらまた一緒に部活のあとお菓子食べれるしー。」
「だな!帰りアイス買って帰ろうぜ!」
「青峰、もう10月だ。アイスは寒い。あったか〜いおしるこにするのだよ。」
個々に意見を述べるが皆マネージャーとしての参加を求めていた。
少し悩んだがワタシは
『皆と部活するの楽しそうだけど…今は自分のことで精一杯だから部活は少しおやすみさせてもらおうかな。』
と答えた。
えっー、っと皆がブーブー言うなか征十郎が
「そうだな。梓は部活に参加する以前に私生活のほうから慣れていかなければいけないな。あまり負担になるようなことは押し付けられないか。」
と言うと仕方ないかという顔で皆が顔を見合わせた。
『あ、でも自分のこともちゃんとわかって余裕が出来たらバスケ部参加したいな…。』
皆があまりにもしょんぼりした顔をするので可哀想になり一言付け加えた。
すると敦の顔がぱぁっと明るくなりうんうんと大げさに頷いた。
「そうするといいのだよ。別に部活に関係なくても何かあれば俺たちに頼ればいいのだよ。」
一度は暗くなった雰囲気がまた明るさを取り戻した。