第4章 奇跡の出会い
梓には説明しておかないとね、と征十郎が語る。
「梓は今まで俺たち男子バスケ部の一員だった。もちろん選手ではないよ?だがマネージャーでもない。
梓は俺たちのトレーナーをしていたんだ。」
トレーナー?
あまりしっくり来なかったので首を傾げると征十郎の言葉に緑間が付け加えた。
「選手のフィジカル面をバックアップしてくれていたのだよ。お前は誰より選手の状態を見極める力があった。だから個々の状態を判断しそれぞれにあったトレーニングメニューをつくったりしていたのだよ。」
へぇ、そんなことできたんだワタシ、と感心した。
正直漫画などから得たもの以外バスケに関しては一切知識はないしフィジカル面のサポートといわれてもピンとくるものはない。
「梓たまにすげー厳しいメニュー出してくんだよなー。こなさなかったらこなさなかったで赤司に怒られっし。」
青峰が自分のカツ丼を口に頬張りながら言った。
「現状今の梓にそれがすぐに出来るかといったら正直無理だと言う判断が正しいと思う。バスケ部の部員の顔と名前をまず一致させるのも一苦労なのと今青峰の食事のメニューに関してもいつもなら口うるさく言う梓が何も言わないのだからね。」
青峰の目の前には大盛りのカツ丼、チャーシュー麺さらに肉まんが置かれていた。
「好きなもん食って何がわりぃーんだよ。」
そういながらまた口いっぱいに食べ物を含む。
「俺もいっぱい食べるけど梓ちん何もいってこないよねー。」
敦も青峰ほどまではいかないが結構な量のごはんが盛ってあった。
「紫原の場合、何度注意しても駄菓子だけはやめないから梓ももう諦めていたんだろう。」
緑間はフォークにくるくるとパスタを巻き綺麗に食事をしていた。