第4章 奇跡の出会い
食堂での昼食をすませ各自自分への教室へと戻った。
ワタシも征十郎と一緒に教室へと戻り自分の席へと着く。
「梓大丈夫かい?」
征十郎が困った顔をして話しかけてきた。
『え?なんで?』
「食堂にいるときから何か考え込んでいるようにみえたから。…いきなり部活の話など持ちかけて荷が重かったのならすまない。」
そう謝るがそのことで私は考え込んでいたわけではなかったので全然大丈夫だよ!と返した。
だが私が考えていたのは確かに帝光バスケ部のこと。
今回マネージャーとしてどうか?という話を断ったのは自分のことで精一杯というのは確かな理由だった。
それともう一つ。
今は10月。もう少ししたら黒子が一軍に上がってくる。春には黄瀬が入部。
ここから先ばたばたと色々な出来事がこの部には起こる。そんななか原作にはいないワタシがこのバスケ部に関わっていたらお話が変わってしまうのでは?という不安があったからだ。
夢の中であってもやはり原作のファンとしては話を曲げず原作通りの彼らの未来をみたいと思ってしまう気持ちがあった。
ここにワタシが存在している時点ですでに何か変わってしまっているのではとも考えたが極力曲げないように彼らのバスケには深く関わらないようにしようと思ったのだ。
そんなことを考えていたら征十郎に見透かされていた。
(征十郎ってほんとすごいな…人のことちゃんと観察して。なんか色々考えすぎて溜め込みすぎちゃわないか心配になる。まだ子供でこんな可愛いのに。)
そう考えていたら無意識に小さい子をあやすように征十郎の頭をぽんぽんと撫でていた。
「…梓?どうしたんだい?」
ハッと我に返り
『あ、ごめん。征十郎かわいいなぁって思ったら無意識に手が…』
ワタシが手を引っ込めると征十郎は俯き顔を赤くしていた。