第4章 奇跡の出会い
征十郎に案内された食堂にいくと頭の中で想像していたより綺麗で広い食堂が広がっていた。
「何にする?」
食券機の前で悩むがパッと目に入った“唐揚げ定食”のボタンをワタシは押した。
隣でクスッと征十郎が笑うから
『なんで笑うの!?』
と聞くと
「だって梓はいつもそれだから。記憶がなくても潜在意識が働いているのかもね。」
そう言いながら征十郎は“和定食A”のボタンを押した。
食券を出し受け取り口でトレーを受け取ると征十郎の後に続き席に向かう。
「あ、赤ちーん。こっちー。」
!!!!
征十郎の影に隠れているため前は見えないが征十郎を“赤ちん”と呼びその緩い話し方が私の頭の中に一人の男性を思い浮かばせた。