第4章 奇跡の出会い
午前中の授業を終えお昼の時間になった。
授業は中学校一年生ということもありすごく簡単な内容である程度勉強の出来た私には簡単すぎたため勉強に対する不安はなくなっていた。
ただ征十郎と教科書を共有している間は距離感のせいかずっとドキドキしてしまい途中あまり授業内容が頭に入ってこないときもあった。
「梓、昼食はどうするんだい?」
征十郎に尋ねられ
『あーなんか買いに行こうかなって。』
そのときランチなんてそのへんで済ませばいいと思っていた私だが中学生という状況の場合昼食はお弁当という選択肢ではないのか?とふと思った。
「じゃぁ、一緒に食堂に行こうか。俺もそこで食べるから。」
あ、食堂あるんだ。よかったと安堵し
『一緒に行くー。』
財布を片手にトコトコと征十郎についていく。
(あ、そうか。征十郎がいて帝光中学校だからここが私の知っている帝光中学校だったら広い食堂があったよなー。)
と考えていた。
「今日はバスケ部の部員と一緒に食事をするんだけどそれでもいいかい?一応梓とも仲がよかった人たちだよ。嫌なら俺と二人で食事でもいいが…。」
『バスケ部??』
「あぁ。俺バスケ部なんだ。梓もバスケ部の一員だったよ。マネージャーというか…うん、詳しくは皆と合流してから話そう。」
彼がバスケ部だということは重々承知だ。
ワタシがバスケ部??と聞き返したのには別の意味がある。
赤司征十郎のいる帝光中学校。
そのバスケ部の部員といったら思い当たる人物たちが数人頭に浮かんだからだ。