第4章 奇跡の出会い
話も終わり父がよろしくお願いしますと頭を下げたのでワタシも一緒にさげる。
校長と担任も頭をさげた。
「あとは学校側にお願いするから何か困ったことがあれば私か楓に連絡しなさい。」
そう告げ父は学校を後にした。
「先生は先生達の朝礼があってすぐに教室にいけないから、一人で教室行くのは不安だろうしクラスの子を一人呼ぶからその子と一緒に行くといいよ。」
ちょっと待っててねと担任が応接室を出て行く。
校長と二人というなんとなく気まずい雰囲気の中
「心配しなくて大丈夫だから。」
と声をかけられるが正直特に心配することはなかった。
しいていうならば25歳という年齢を隠して中学校に通うというのが犯罪ではないのかということであったが今のワタシは12歳なのだから法律的には問題ではない。
気持ちの問題だ。
ぼーっとしていると応接室の扉がノックされ失礼します。と男の子の声がした。
その声をした先をみると綺麗な赤い髪をした少年がこちらを見て立っていた。
ーーーーーーー!!!
ーーー知ってる!!
私はこの少年を知っている。
ワタシは思わず目を見開いた。
赤い髪の少年はこちらに向かい歩いてくる。
全身に鳥肌がたった。
「鈴木先生に言われて来ました。水崎さんを案内するように、と。」
「おぉ、赤司くんなら心配ないな。水崎さんの事情は聞いていますか?」
「はい。ある程度は先生に聞く前に父から伝えられていたので。」
赤い髪の少年と校長が言葉を交わしていたがワタシの耳にはまったく入ってこなかった。
「水崎さん?俺は赤司征十郎。水崎さんのクラスメイトだよ。よろしく。」
そう言うと彼は右手を差し出した。