第4章 奇跡の出会い
兄と一緒に朝食とったあと食器を片付ける。
「父さんもうすぐ迎えに来るから。俺先に行くな?なんかあったらすぐ連絡しろよ?」
時計はすでに7時半を回っていた。
兄はいってきます。と告げ玄関を出ていった。
兄と数日ともにしたが少し過保護すぎるのでは?と感じたが甘えさせてくれる兄に心地よさを感じていた。
兄が出ていったその数分後ワタシの携帯が父からの着信を知らせマンションにもうすぐ着くから下まで降りてきてほしい。と伝えられた。
ワタシはブレザーを羽織り荷物を持ち誰もいない玄関でいってきますと言い兄に渡されていた鍵でしっかりと施錠をし出発した。
エントランスを出ると一人の男性がおはようございます梓さん、と挨拶をしてくれた。
父の運転手だ。
その運転手がマンション前に付けられた車の後部座席を開くと父の姿がそこにあった。
「よく眠れたかい?」
父とは一緒に住んではいないが何度か連絡をとっていたので会話は出来るが直接会ったのは退院後に一回だけだったので少し緊張した。
『うん、寝たよ。朝ごはんもお兄ちゃんが作ってくれたの食べた。』
「そうか。楓は料理も出来るんだな。」
家族なのにそんなことも知らないのかと思ったが一緒に住んでいないから仕方のないことなのだろうか。
そもそも何故一緒に住まないのだろうかと疑問もあったがそれを父に聞けるほど父とはまだ友好的ではないので後日兄に聞くことにしようと思った。
兄に教えてもらった帝光中学校は歩いてでも行ける範囲内なので車だとあっという間についた。
来客用の玄関に車をつけると入口に教員らしき人物が立っていた。
「おはようございます。水崎さん。」
少しの若めのさわやかな男性。
父がその男性に挨拶を返す。
やはり教員のようだ。
父の後について行き来客用の玄関から応接室に通された。
そこには校長と名乗る人物と先ほどの教員も一緒に入った。
父がワタシの事情を話している間ワタシは黙ってその話を聞いていた。
話を聞くに今日いきなりというわけでなく事前にある程度ワタシのことは伝えてあったようだった。
あと同じ場にいる教員はワタシの担任らしい。