第3章 ここはどこ、私は誰?
父親に学校のこと伝えてくると言い携帯を片手に兄はリビングを出て行った。
リビングに残されたワタシは目の前にあったテレビのリモコンを手にとり電源を入れた。
テレビには自分のよく知っている芸人が写っていてあーやっぱり現実とリンクしてるんだ。リアルな夢だなーと感じていた。
しばらくすると兄がリビングに戻ってきて
「父さんの仕事の都合で学校にいけるの次の月曜からになりそうだけど梓はそれでいい?」
そう聞かれたので大丈夫、ありがとうとだけ伝えまたテレビに視線をうつした。
「梓ー!ちょっと来てー!」
兄に呼ばれまだテレビを見たいという気持ちもあったがソファを立ち呼ばれたほうへと向かった。
「ほい!ここが梓の部屋ね!」
案内された部屋は女の子の部屋なのだろうか?とおもうくらい黒と白で統一され物も必要最低限の物しか置かれていなかった。
パッと見、ホテルのような感じだった。
『なんもないね…。』
ワタシの兄に向かって笑うと
「クローゼットはぱんぱんだよ。」
部屋の中にあるウォークインのクローゼットへと案内された。
そこにはたくさんの洋服や靴、アクセサリーが並んでいた。
「梓はファッションに対してのこだわりがすごかったからね。これは梓のだから好きなように使えばいいよ。」
と伝えられた。
私も女だ。
たくさんの服に靴。
これを見たらすごくワクワクした。